石黒謙吾さん、由紀子さん夫婦(世田谷区)
著述家・石黒謙吾さん、コラムニスト・石黒由紀子さんご夫婦のお宅は、 3LDK(70平米)のマンションを2LDKにし、自分たちの想い通りにリノベーション。木のぬくもりと土壁にこだわり、床材などの部材もほとんど自分たちで探し求めたという徹底ぶり。快適に、素敵に暮らすヒントが随所にみられます。
![]()



著述家・石黒謙吾さん、コラムニスト・石黒由紀子さんご夫婦のお宅は、 3LDK(70平米)のマンションを2LDKにし、自分たちの想い通りにリノベーション。木のぬくもりと土壁にこだわり、床材などの部材もほとんど自分たちで探し求めたという徹底ぶり。快適に、素敵に暮らすヒントが随所にみられます。

![]()
椅子
アクセントになっている一脚は「ヒッカドゥワ」で購入。「幼少期に祖父の書斎にあった大きな椅子とイメージが重なって」と由紀子さん。バリ製なのにどこか大正モダンを感じます。
本棚
家の中には書物がたくさん。「本だけだと硬い雰囲気なるので、好きな小物を飾ったり、お気に入りの写真集は表紙を見せて置いています」。いわゆる本棚にしないところが
オシャレです。
照明
「パシフィックファニチャー」で購入した船内用のランプ。石黒さんの照明使いは、とても新鮮です。
バルコニー
しそ、バジル、いちごなど食べられるものが多いという石黒庭。ジョイント式木材を敷いてウッドデッキスタイルに。
カーテン
カーテンは簡単に布を変えられるようにクリップを使用。「気分によって好きな布を下げて楽しんでます」と話す由紀子さんは、近々、光の透け感を満喫した白い麻から、秋らしいチェック柄に模様替えを計画中。

![]()
オーディオ
オーディオボードは床材の残りを使った自作。床や背面のウッドとあいまって機器類のメタリックさが和らいでいます。置かれたCDジャケットはちょっとしたアートに。謙吾さん自慢のスペース。
パーテーション
パーテーションにした無印の棚は、抜けが圧迫感を解消。ベルギービールのグラスやオブジェなど好きな物のディスプレイの中に、無機質な電話機もさりげなく納まっています。
照明
世界中の工場やオフィスで愛用されているフランス・ジェルデ社の工業用ランプをメイン照明に。ヘッドの向きを変えたり、調光することで空間演出も可能。
壁
好きに手を加えられるDIYの醍醐味のひとつが“壁塗り”。友人の手を借りながらも自分たちで家中の壁や天井を塗装。ハケのニュアンスがその思い出を物語っています。

![]()

![]()

石黒謙吾さん(以下K):昔からログハウスに憧れていたのもありますし、木や革の天然素材が心地よくて、大好きなんです。そこにこだわり、マンションのリノベーションを考えました。
由紀子さん(以下Y):ピカピカツルツルの新しい感じより、マットで味のある質感とか、シンプルなもの、手仕事的なもの、かな。
K:賃貸のときは手を加えられなかったけど、ここを決めたときはどんな住まいにするかイメージを膨らませて、部材選びから自分たちでかなり回りましたよ。
Y:建築家や職人さんに、ニュアンスを伝えるのも大変だったよね。自分たちの好みを理解してもらうのに好きなインテリアショップを一緒に回ってもらったり、それでも最後は「できるだけ何もしないように」って頼んじゃいました。建築家の方はやりにくかったでしょうね。
K:そうそう。大半の施主にとって理想的なことを僕たちは拒むから。収納扉の木を建築家さんが親切心で指定して、ニスを塗ってピカピカに仕上げた時は絶句。
全部剥がしてもらいましたけどね。この扉も床もずいぶん使用感が出てきたけど、もっと深い味わいになるといいよね。
K:僕はもっと凹凸を強く出したかったけど、かみさんが飽きるからナチュラルなほうがいいって。結果的によかったかもね。色も微妙にニュアンスを変えているんですよ。
Y:うちの中を見まわすと、いろんな職人さんなど、人との出会いがあったなあって、思い出が蘇ります。
Y:以前は、もっと色があったり民族的なものや作品自体が強いものが好きだったけれど、最近は使って飽きのこない、空気のような存在のものにシフトしてきていますね。
K:北欧風とか○○風というスタイルは僕たちの中にはあんまりないよね。ものの趣味の折り合いが、2人のテイストになって、それが積み上がってインテリアという大きなくくりになっていった感じかなあ。
Y:ここに住んで5年になるけれど、今の家という意味ではほぼ満足していますね。次に住む所は間仕切りのない、箱だけのスペースにしてみたい。
K:僕も満足かな。あ、でも、風呂場に富士山の絵を描くってのが残っている。
Y:絵がよければ、まあいいかなあと。表には見えないしね(笑)。
「スイッチカバーに木の皮を貼るなど、ディテールが見ていて楽しいですね」
石黒ファミリー、豆柴の「先輩」ちゃん。
「先輩」の布団はusedリネンのランドリーケース。「いかにも犬がいるっていう空間にはしたくなくて」
「先輩」の食事処。 かなり細部にわたり意識を通してこだわった石黒邸。大変さは今となってはいい思い出とか。
大がかりな作業は無理と思っている方も、スイッチプレートやドアノブを変えるだけで、マンションという規格的な空間に、新しい空気が流れてより自分らしさを表現できますよ。
くつろぎの空間を作るには、季節を感じながら日々を丁寧に暮らすことがキーになっていることも、今回の取材で教えられました。

1961年金沢市生まれ。おもな著書には『盲導犬クイールの一生』(文藝春秋)、『バニの家族』(学研)など犬に関するものをはじめ“分類王”としての『図解でユカイ』(ゴマブックス)や『ダジャレ ヌーヴォー』(扶桑社)など。編集者としても『ザ・マン盆栽』(文春文庫PLUS)など、幅広いジャンルで書籍作りを手がける。
「BLUE ORANGE STADIUM」ホームページ
http://www.blueorange.co.jp/
1964年栃木県生まれ。『Pooka』(学研)、『野性時代』(角川書店)、『いぬのきもち』(ベネッセコーポレーション)などの連載をはじめ、『CREA』(文芸春秋)ほか女性誌、犬関係の雑誌、WEBを中心に執筆。著書に『カップル・ストーリーズ』(エクスナレッジ)、『GOOD DOG GOODS!』(アスペクト)、『GOOD DOG NEWS!』(アーリストインターナショナル)がある。 近著は『さんぽ、しあわせ。』~東京ゆるゆる街ある記(毎日コミュニケーションズ)。